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彩の国シニア応援大使のコラム(第7回)

2018年1月12日

※ このコラムは彩の国シニア応援大使の三遊亭鬼丸さんのブログの一部を紹介しているものです

私の理想のシニア像

掲載日:平成30年1月12日

今回は私がシニアになったらどんなシニアでいたいかについて書きたいと思います。

とはいっても私の職業は落語家ですから、生活の変化はあまり考えられないので、気持ちの持ち方について書きます。

私が年寄りを年寄りだと一番感じる瞬間は新しいことや知らないことに興味を持たなくなるところです。経験していないのに、知った気になっている人をときどき見かけますが、とても残念に思います。面倒くさいのか、行動に移さないのってどうかと思うんですよね。私はどんなに歳を重ねても未知なるものに興味を持ち、これでいいと自分に制限を設けない年寄りになりたいのです。

そしてそのためには聞く耳も持ちます。特に自分より若い人たちの声には耳を傾けたい。落語家は現代のお客を相手に生きていますから、分からないことを若い前座に聞くことも全然恥ずかしがりません。そしてその柔軟性がないと芸人ではないのです。ただこれは芸人に限らず、若さの秘訣を好奇心というのなら絶対に必要なことだと思います。知識と年齢は必ずしも比例しません。流行りの食べ物、ファッション、娯楽をはじめ、世の中の動きに対して興味を持つ、いや興味がなくても体験してみる、そばで見てみるだけでも活力が湧いてくるのではないでしょうか。

私もシニアになれば身体のいろいろなところにガタが来たり、価値観の合わない振るまいに苛立つことが多くなるでしょうが、愚痴っぽくならず、にこやかに、許容しながら嫌われないシニアを目指します。

先日、作家の五木寛之先生がインタビューで「嫌老社会」ではなく「賢老社会」とおっしゃってましたが、経験や知恵を聞きに来てもらえるシニアになれたら我が人生一片の悔いなしです。

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