板垣さん　私は23年前に中途採用で弊社に入社し、営業事務を担当していました。今年の4月に定年を迎え、一度退職したのですが、7月に弊社の監査役に選任されました。定年前は、請求・売掛業務などの営業事務以外にも、男女共同参画に向けた社内委員会の委員長を務めたこともあり、女性やシニア世代が活躍できる制度の策定や制度を利用しやすい環境の整備にも注力してきました。弊社は女性従業員が約70%を占める会社なので、女性が活躍できる制度・環境づくりを重視する企業風土があります。定年前は、これら委員会活動にも大きなやりがいを感じていました。

久保さん　私は中途採用で入社しました。それまで勤めていた会社が倒産し、就職先を探していたところ、知人が三州製菓㈱のスタッフ募集を教えてくれました。それから21年間、弊社の工場で働き続けています。弊社は60歳で定年となりますが、その後も本人が希望すれば、原則77歳まで働くことができます。これは77歳の喜寿を機に引退をした埼玉県出身の偉人、渋沢栄一にちなんだ制度だそうです。ただし、77歳を超えても本人が希望すれば、働き続けることが可能です。私は今年78歳になりましたが、おかげさまで元気に働いています。

久保さん　私は煎餅の生地をはじめとする弊社商品の材料の入庫・検品・仕分け・工場への搬入など、商品の生産準備を担当しています。具体的には、朝7時に出社し、工場にトラックで搬入された材料を検品し、当日の生産計画に必要な材料をフォークリフトで工場へ輸送します。フォークリフトを操って53年。ハンドルさばきは若者並みといわれます(笑)。私の仕事は、生産の第一段階であり、もし、間違った材料を工場へ搬入すると、生産計画が狂ってしまいます。慣れている仕事とはいえ、日々ミスをしないよう、細心の注意を払って業務に取り組んでいます。

板垣さん　弊社の社志は「すべてのものを真に活かす」です。弊社では、この社志に基づいた、一人ひとりのチカラを最大限に引き出す数々の制度や環境があります。「ひとり三役」という仕組みもそのひとつ。部署内で各スタッフが担当している業務をお互いに教え合い、自分の仕事以外に2つ以上の業務スキルを身に付けることで、たとえば、体調不良で休まざるを得ないスタッフがいても、そのスタッフの業務を誰かが代行できます。シニアの社会参加を応援する、事実上無制限の雇用制度にも社志の精神が表れています。再雇用されたシニアの休暇や福利厚生の条件も社員と同じです。

久保さん　私は仕事が生きがいなので、この歳になっても雇用し続けてくれる会社には、本当に感謝しています。また、私の年齢や体力に配慮していただき、72歳からは午前中だけの半日勤務を勧めてもらいました。そのおかげで体に無理をかけず、自分のペースで元気に働いています。弊社の商品は、国産米にこだわり、徹底した品質管理の下、お客様にどこにも負けない味をお届けしています。心から誇りに思える商品をつくり、お客様に喜んででいただく仕事に最高の雇用環境で取り組める。これは弊社の最大の魅力ですね。

板垣さん　定年を迎えたときに湧いてきたのは、ここまで勤めさせてくれた会社や同僚、そして家族に対する感謝の気持ちでした。そして新しい仕事にチャレンジできるチャンスにも恵まれました。仕事を続けることは楽しいことばかりではありませんが、それも含めて、仕事にやりがいや生きがいを見出すのは自分の気持ちの持ち方次第です。シニアの皆さん、何でもまずやってみよう！の精神で社会参加していきましょう。

久保さん　働くことは体を動かすこと。体を動かすことは健康にいいこと。健康であれば毎日が楽しくなります。人間にとって最大の財産は健康であるとこの歳になって実感するようになりました。私が元気でいられるのは、まさに働き続けてきたおかげです。そのおかげで、3日も休むと体がなまってきます(笑)。仕事から健康をもらっているようなものですね。皆さんも積極的に社会参加をして、心も体も元気いっぱいになりましょう！